レモン








「もしー」
「あ、もしもし、俺」
「うわ、めっちゃ久しぶりやん」
「本間久しぶりやんな」
「うん、元気してるん?」
「おー、元気!つーか何してるん最近、連絡よこさんしや」
「普通に大学いってる」
「サークルとか入ってるん?」
「うん、入ってる」
「へえ・・めっちゃ楽しんでるやん」
「うん超楽しんでんで」
「へえー」
「何なん聞いといてそのリアクション」
「なんか意外やなーと思って、中学のときとか全然楽しそうちゃうかったし」
「ああ、中学とかまじくそやったもん」
「うそ、俺中学が一番楽しかったわ」
「今たのしないんや」
「うん、めっちゃ面白んない」
「へー、何処でも上手くやっていけそうやのになあ」
「やろ、なんかおもんないでー」
「白石とか元気にしてるん?」
「ああ、なんか大学卒業したら結婚したいとかいうとった」
「へえー、すっご、そうかもううちら21やしな」
「覚えてへん?中3から付きあっとった彼女」
「ああ、名前なんやったっけ、えー、あー、思い出せへんわ、女の子らしー子やろ」
「そうそう、まだ続いてんねんアイツと」
「えー、ながっ、謙也あの子好きちゃうかったっけ」
「いらんことよー覚えてんな・・」
「だって泣きながら電話かかってきてめっちゃうざかったもん」
「忘れろやそんな昔の話」
「うざすぎて忘れられへん」
「何なん、お前今好きなやつとか彼氏とかおらんの」
「私におるとおもう?」
「やんな、おらんよな!俺も俺も」
「え、いるんですけど」
「え、うせやん」
「本間やし」
「誰」
「千歳」
「嘘やん!?」
「うせやんうせやんうるさいな、本間や言うてるやん」
「うわ俺めっちゃショックやわ」
「何で」
「お前は俺の仲間やおもとったのに」
「あのさあ、謙也が白石の彼女に失恋したときとかうち謙也のこと好きやってんけど」
「・・・」
「何か言いや」
「え、吃驚しすぎた、え、本間に?」
「本間やで」
「何で言わんかったん」
「だって白石の彼女のこと好きやったやん」
「は!?意味わからん!関係ないやんけ」
「関係ないことないやん!泣いとったくせによう言うわ!」
「何なんお前じゃあ今も俺のこと好きなん」
「んなわけないやろ、千歳おるし」
「ですよねー、なんというカミングアウト」
「だってもうどうでもええもん」
「うわ、人って変わるもんやなーお前なんか今冷たいな」
「そんなことないって」
「そんなことある」
「昔は好きやったからやさしかったんちゃう?」
「・・・いや本当すいませんでした」
「何が」
「だって俺お前の気持ちしらんと泣きながら電話とかしとったし」
「いや、もうどうでもいいから、っつーかごめん明日千歳と映画見に行くからもう切ってもいい?」
「え、切らんといてや!今切られたらなんか俺めっちゃ寂しいやん!」
「何なん、なんのために電話してきたん?」
「え、暇電」
「じゃあもうええやん、他の子んとこ電話しーや」
「えーあー、最悪やなお前」
「わかったわかった最悪ですよ、じゃあねーばいばーい」
「え、ちょ」





レモン






「そういえばさー昨日謙也から電話かかってきたわ」
「おー、なつかしかね〜、なんつっとった?」
「いやー、なんか相変わらずアホやった、人って変わらんもんやなー」
「謙也が好きなやつできたとき大泣きしとったくせにようゆうたい」
「はは、ほんま若かったよなーわらける〜」




(2009/8/15)
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