間違ったのは今ではなくもっと前だったのかもしれない。予てから俺は間違っていたのかもしれない。こんな事を思うのは今更すぎるのかもしれない。 「白石は悪いとこないんやもん」 「そんなことないわ」 「ううん。白石とおると自分が情けなくなる」 それを今思い知らされた。 「そんなん、」 何を言っても言い訳な気がした。 巧くしてきた筈だったのに手元には何も残っていない。 「白石、あのな」 「もうええ、言わんといて」 俺は彼女ごと放棄した。 何から手を付ければ良いのか何をどうすれば良いのか。現状を改善しようと思っても既に積み重ねてきたもので固められてしまっていてもう身動きが取れない。 |